某国某所にある研究施設。
ここでは極秘裏に「ゾンビウィルス」の研究が行われていた。
―――。
そのウィルスが、どこに行き、誰が手に入れ、何に使われるのか?
研究者にとって、それらは些末な事だ。
奴らは皆、ベクトルこそ違うが、一様に狂っている。
見つけ、生み出し、改良し、調べ、実験する。
それさえ出来れば、他はどうだっていい。
その繰り返しの果て、ついに完成させてしまう。
「ゾンビウィルス」
こいつに感染した人間は感染から数時間で、思考が止まり痛覚を失い体が腐り始め仲間を増やすためだけに動く。
……そう、ゾンビになるのだ。
五人の研究者たちは、それぞれ様々な感情ではあったが、手を取り合って喜びをわかちあった。
次の日の朝、「ゾンビウィルス」を閉じ込めたカプセルが消えていた。